投資の世界には、常識が完全に通用しなくなる瞬間があります。2020年4月、WTI原油先物が史上初めて「マイナス40ドル」という価格をつけたあの日は、私にとっても、そして世界中の投資家にとっても、一生忘れることのできないリスク管理の原点です。
今回は、未曾有の暴落が突きつけた教訓と、そこから私が導き出した「現物投資」によるリスクコントロールの重要性を振り返ります。
1. 「追証8,000万円」が突きつける自己責任の重み
当時、世界中を駆け巡ったニュースの中でも、中国銀行の原油投資商品(原油理財)を巡る悲劇は衝撃的でした。5月限のマイナス価格により、ある個人投資家が8,000万円もの追証を迫られ、ショックで立ち尽くす姿が報じられました。
いくら嘆いても、投資の世界は「自己責任」が絶対のルールです。ロールオーバーのタイミングや、現物の受け入れ容量(タンク不足)といったプロの需給に、知識なき個人が「値ごろ感」で挑むことの危うさを、この事件は残酷なまでに証明しました。
2. 原油ETF(1671)と「発行体リスク」への懸念
こうした中、私が注視していたのがETFのWTI原油価格連動型上場投信(1671)です。価格は年初来安値を更新し続けていましたが、私が買いを躊躇した理由は価格そのものではなく、「発行体の破綻リスク」でした。

先物と異なり、ETF(現物拠出型以外)は運用会社の信用の上に成り立っています。「原油に価値があっても、運用会社がこの異常事態に耐えきれず解散すれば、投資家は無価値な紙切れを手にすることになる」という極限の警戒感がありました。
3. リスクを「限定」する選択:暗号資産(仮想通貨)の現物取引
先物の「底なしの恐怖」を目の当たりにしたからこそ、私が目を向けたのが暗号資産の現物取引です。イーサリアム(ETH)やベーシックアテンショントークン(BAT)など、ボラティリティは激しいものの、現物取引であれば「最大のリスクは投資額に限定される」という安心感があります。
特にGWなどの季節要因で動きやすい暗号資産市場は、先物のような「マイナス価格」や「無限の追証」を回避しつつ、リターンを狙うための避難所としての側面も持ち合わせています。

4. 環境を整える:セキュリティと参入障壁の低さ
こうした「現物投資」を少額から試すには、プラットフォーム選びが重要です。私が長年利用しているbitFlyer(ビットフライヤー)は、国内で最も長い運営実績を持ち、ハッキング被害ゼロというセキュリティへの信頼から選択しています。
100円からという極少額で「相場という鏡」に向き合える環境は、先物の恐怖に飲み込まれず、冷静にリスクを管理する感覚を養うのに適しています。口座開設もスマホで完結するため、機を逃さず実戦に入れるのも大きな利点です。
結びに:生き残るための「歩法」
原油マイナス40ドルの地獄を知っているかどうかで、その後の相場との向き合い方は変わります。2026年、日経平均5万円という高みにある今だからこそ、あの時の「腰が抜けるような恐怖」を思い出し、常にリスクの出口を確認しながら歩みを進めたいと思います。