こんにちは、プロではない投資家の端くれです。
【2025年11月追記:現状について】
この記事は2021年4月当時の、投資ブログ界隈における一部の過剰なアフィリエイト広告手法と、それに対する広告出稿主の監督責任について筆者が問題提起した記録です。当時の状況に対する筆者の強い意見表明ではありますが、特定の企業や個人を批判するものではなく、情報発信における倫理の重要性を示すものとして残します。
--- 2021年4月3日公開 ---
投資ブログに見られる一部の過剰広告と出稿主の責任について
以前から、投資ブログにはアフィリエイト目的でブログ運営しているブロガーが沢山います。そうした中には、IPアドレスをRPAなどを利用して不正に変更し、ランキング上位に持ってきているサイト主も散見され、また、そうした不正を見て見ぬふりするブログランキングサイトもあったりして、なんか不合理な世の中を感じますが、現状はそうしたことで微妙なバランスが保たれています。これを必要悪で片づけていいことでしょうか。
投資ブログのアフィリエイトでは、無料口座開設への誘導が主体となるのですが、投資初心者の情報弱者をターゲットにしているとはいえ、そこに法的解釈による直接の被害者は出てこない為、一部のアフィリエイター達は儲け至上主義に走り、そうしたことも熟知したうえで、過剰な煽り広告で高額報酬を貰える一部のネット証券を過剰にPRし、新規口座開設者を募っている事例が散見されますが、これは如何なものかと思います。
こうした事案はFXブログでは昔から、画像を捏造したりして、”勝てるFX業者はこちら”など、悪質なアフィリブログが存在していましたが、株式投資ではIPO新規公開株の分野で、”IPOに当選しやすい証券会社はこちら”ということでアフィリエイト活動が今なお盛んです。
IPO新規公開株分野のアフィリエイトブログでは、IPOに当選しやすいというイメージを情報弱者に植え付けるだけなので、FXの悪質アフィリエイトブロガーの様に証拠画像の改ざんまでしているブロガーはさすがにいないと思いますが、行き過ぎた誇張表現によるPR訴求をしているブロガーが存在していることは、ネット社会における社会的な課題です。
そして、この問題の解決に向けては、そうしたブロガーのモラル感だけではなく、広告出稿している証券会社自体にも、その企業倫理や企業規範、モラルの欠如といった側面も一部には垣間見えてきます。
誇大表現の例と企業倫理の視点
例えば、一部のブログで、特定のネット専業のスマホ証券を紹介する際に、高額なアフィリエイト報酬を目的として熱心にPRしている例があります。口座開設バナーをクリックすると、「直前にご覧いただいていたウェブサイトは、当社が作成したものではございません。また、掲載されている感想や評価はあくまでも作成者自身のものであり、その内容について当社が保証できるものではございません。」という警告メッセージが出る場合がありますが、これだけで広告出稿主としての責任を果たしたつもりになられては困ります。
この注意表示は、業界全体で取り組んでいるものであっても、個々のサイトの審査・監督は当然、広告出稿主に帰属するはずです。口座開設しても直接被害を被るわけではないので法的に責任逃れができたとしても、社会通念上の観点として、企業としての善管注意義務や道徳、一般モラルとしても、こうした誇大広告の煽りサイトを指導もせず、放置することは、不当競争防止の観点からも望ましくありません。顧客との間に誤解による何か問題が発生すれば、広告出稿主として、企業は知らなかったでは済まされないでしょう。
具体的な誇大表現の記載内容として、「更にIPO取扱い銘柄が多く、当選者が大量」という記載がありますが、当選者が大量というのは全く根拠がありません。射幸心を煽る結果になりかねない曖昧なワードは訴求内容では使うべきではないと考えます。
また、「しかも通常の証券会社と同様に100株単位の抽選なので利益が大きい」という記載では、「しかも」という接続詞によって読者の願望を増幅させる効果を狙っていると感じます。100株単位は通常、当たり前のことですので、「しかも」という言葉に特別な意味はありません。言葉とは、その気にさせるという意味で本当に怖い武器となります。
さらに、「新しい証券会社で、まだまだ口座数が少ないので当選チャンス!」という記載もありますが、証券会社がIPOに対する当選者数を公開していない以上、これは断定できないはずです。このように、個人ブロガーが運営するサイトではアフィリエイト報酬欲しさに、曖昧ワードの誇大・拡大解釈した仕組まれた意図が一人歩きしてしまいがちです。個人サイトでは、そこのモラルや倫理観が後回しになる傾向があるといえます。
そこで、やはりそれを管理監督するのが、日本広告審査機構のJAROということに最終はなるのだと思いますが、今回のような、無料口座開設ではそもそも、口座開設をした人がそれで、直接被害を被ることはないので、法的にはお咎めなしとなるのだと思います。
ただ、企業モラル、企業倫理という視点では、そうした不当表示や不当な煽りで集めた顧客獲得は、まずは広告出稿主の責務として、サイト主を適切に教育、指導すべきであろうと思います。企業側は、パートナーとなるアフィリエイターに毅然とした態度で接してもらいたいものです。
少々ダーティな手法を使っても、注文を多く取ってくるアフィリエイターの方が真面目なアフィリエイターより大事だと考えている証券会社は、先般起きた、大手金融機関に多額損失をもたらした米アルケゴスの事件を思い出すといいでしょう。取引回数の多い顧客に対する信用枠の異常な拡大が、結果的に大損害を被る原因となりました。何事も一事が万事です。
結び:健全なアフィリエイトの発展を願って
誤解ないき様、申し上げますが、私はアフィリエイトを否定しません。寧ろ賛成派です。但し、誇張広告で誘導するアフィリエイトはやめなければなりません。特にテーマがIPO新規公開株ならば、なおさらです。多くの個人投資家は、IPOの当選を願っているからです。しかし、IPOはそうやすやすとは当たるものではありません。
余談ですが、IPO当選は、落雷に当たる可能性ほどは低くありませんが、宝くじで1万円以上当たる当選確率よりも低いといえるでしょう。そう考えると大手ではないネット証券でIPOに当選することは、本当に幸運な方で、逆に言うと1度でも当たれば、もう2度と当選がないかもしれません。
結びになりますが、IPOに当選したいという願望、人間心理、弱みに付け込むことでの口座開設獲得の手口・手法、もうそろそろ本当にやめませんか。健全なアフィリエイトの発展を願っています。
さて、来週の日経平均は再び3万円を超すかに注目です。私の保有銘柄もどうするか、試案の1週間になりそうです。では、読者の皆様、よい週末を…。