2022年3月。世界情勢の緊迫とインフレの足音が、相場から容赦なく資金を奪い去っていました。昨年来安値を更新し続ける日経平均と、奈落の底が見えない米国テック株。私が直面していたのは、含み損が積み重なり、もはや「マイナスの数字に麻痺していく」という、投資家としての極限状態でした。
米国株の暴落。130万円級の投資が突きつける現実
勢いよく買い向かったエヌビディア(NVDA)が急落し、含み損は22万円を超えました。それ以上に深刻なのがネットフリックス(NFLX)です。24株を保有し、評価額は約96万円。しかしそこには▲340,398円という巨大な含み損が刻まれています。
アップル、アマゾン、エヌビディア……米国株7銘柄すべてがマイナスとなり、合計の含み損は91万円を突破。あまりの暴落に、もはや感情が追いつかなくなり、感覚が消えていくのを感じていました。
日本株の重圧と、防波堤としてのNTT
日本株も厳しい展開が続いていました。これまで日経平均に対して「天邪鬼」な強さを見せていた日本電信電話(9432)までもが続落。現物ポートフォリオは、主力銘柄の苦戦により含み益がわずか2.7万円まで削り取られました。相場が荒れ狂う中で、このNTTこそが私の最後の防波堤であるという確信だけは、辛うじて繋ぎ止めていました。
信用取引でも、持ち株はNTT一本。一時は膨れ上がっていた含み損も21万円台まで落ち着きを見せ始めましたが、確定損失を含めたトータルのマイナスは約125万円に達しています。この数字を前にして、不思議と心は静かでした。セリクラ(セリング・クライマックス)の嵐が過ぎ去るのを、ただひたすらに耐えて待つ。それが当時の私にできる唯一の「戦い」でした。
経営の「質」を問う。ユニクロのロシア販売継続への失望
相場以上に心を痛めたのが、ユニクロ(ファーストリテイリング)の経営判断です。世界中が経済制裁で足並みを揃える中、生活必需品という名目でロシアでの販売を継続するという決定には、強い失望を禁じ得ませんでした。企業の存在意義とは何か。利益を追求するあまり、人道的な判断を二の次にする姿勢は、将来的に深刻な悪影響を及ぼすと私は考えます。優れた経営陣がいると信じていただけに、この判断を私は忘れることはないでしょう。
結びに:2026年へ繋ぐ「耐える力」の原点
日経平均が25,000円という大台を割り込み、1年4ヶ月ぶりの安値をつけたあの日。私は125万円という損失の重みに耐えながら、明日の穏やかな相場を願っていました。2025年の大晦日、日経平均5万円という地平に立っている今だからこそ分かります。あの時の「麻痺するほどの痛み」を逃げずに引き受けた経験が、今の私のリスク管理の根幹になっています。どんな地獄でも、自分の頭で考え、決断を下す。その歩法を、2026年も貫いていきます。
➔ この時の地獄から這い上がり、今、私はこの景色の中にいる。
➔ この「痛み」から15年。1,600万の現在地を確定させた不屈の戦略。
▼ この執念が、現在の私を支えている。