大発会まで、あと48時間。市場が静まり返るこの週末、私は一人、書斎で5年分・1,000ページ超の航海日誌を捲っています。
「端くれ投資家」として相場という荒海に身を投じて、はや15年超。その歩みは、決して称賛されるようなものではありませんでした。100万円という種銭を何度も溶かしそうになり、絶望の淵で震えた夜は数知れません。今の私を支えているのは、華やかな成功体験などではなく、その 15年超 の歳月で全身に刻まれた「無様な傷跡」そのものです。
世の中には、数億、数十億を軽々と稼ぎ出す天才たちがいます。彼らにとってみれば、私が目標に掲げる「2,000万円」など、たかだか通過点の一つに過ぎないかもしれません。笑われるような数字かもしれません。
ですが、不器用な「端くれ」である私にとって、この数字は、かつては雲を掴むような遠い場所でした。15年という月日を使い、血を吐くような思いをしてようやく指先が届きそうになっている、命を懸けるに値する巨大な壁なのです。
記録の半分は「痛み」の羅列だった
私が「記録」という武器を手にしたのは5年前。己の無様な負け戦を、一文字残さず書き留め始めました。今やその記録は1,000ページを超えています。だが、日誌を付け始めてすぐに光が見えたわけではありません。
この5年の記録のうち、前半の数百ページに並んでいるのは、ただただ目を背けたくなるような「痛み」の羅列です。日誌は成功の秘訣ではなく、自らの「失態」を確認し、己の未熟さを突きつけられるための残酷な鏡でした。
しかし、その「記録された痛み」を何度も読み返し、自らの未熟さを認め、市場の前に跪いてきた日々があったからこそ、私の「勘」は、ようやく生き残るための武器へと研ぎ澄まされたのです。
教科書を破り、己の「勘」で舵を取る
私の現在地は 16,374,374円。
世に出回っている投資の教科書通りにいかないのが、この海の恐ろしさです。「感情を捨てろ」という教えに反するようですが、私が最後に信じるのは、15年超の痛みから生まれた「勘」だと考えています。チャートの奥で誰かが絶望する吐息を感じ取れるか。そこに、私のような端くれが生き残る唯一の道がある。
1月5日の大発会から始まる2026年の航海。目標は、資産2,000万円。大言壮語に聞こえるかもしれませんが、私はこれからも一喜一憂することなく、謙虚に市場の呼吸を読み、淡々と舵を取り続けます。
船は以前より重くなりました。一歩を誤れば沈没する恐怖は、100万円の頃よりも今のほうがずっと強い。それでも、私はこの海が好きです。教科書を破り捨て、己の五感すべてを動員して、1円の重みを噛み締めながら戦うこの真剣勝負。
「勝てば官軍」――。
1月5日、午前9時。波は高く、風は冷たい。だが、今の私は、15年前の自分よりも少しだけ冷静に、この荒波を見つめることができています。2,000万円という頂への航海、いよいよ第二章の始まりです。