2026年2月28日、土曜日の朝です。ニューヨーク市場から届いたのは、熱狂を冷ます「氷水」のようなニュースでした。最高値圏で踊っていた市場に、インフレ再燃と地政学リスク、そしてAIへの疑念が突きつけられています。
週末の主要指標(2月28日:早朝の7時過ぎ)
- ■NYダウ:48,977.92(▲521.28)
- ■日経225先物:58,640(▲460)
- ■VIX指数:19.86(+6.60%)
週明けの日本市場は、波乱の幕開けが避けられない情勢です。ですが、逆張りの端くれとして、この嵐の正体を冷静に見極める必要があります。
■「AIバブル」への疑念とソフトバンクグループの4.7兆円
週末、市場を揺るがしたのはOpenAIによる1,100億ドルの巨額調達ニュースでした。アマゾンの7.8兆円、そしてソフトバンクグループ(SBG)の4.7兆円(300億ドル)という、桁外れの追加出資です。
ソフトバンクグループ(9984)の行方
孫社長が「ASI(人工超知能)戦略」を加速させるべく投じた4.7兆円。夜間PTSでは好意的に受け止められ微増しましたが、週明けのザラ場は一筋縄ではいかないでしょう。NY市場では現在、「巨額投資に見合う利益が本当に出るのか?」という疑念が先行し、エヌビディアを含めたAI関連株が売られています。
SBGにとって、この出資は未来を勝ち取るための布石ですが、短期的にはハイテク株売りの波に飲み込まれるリスクがあります。月曜日は期待買いとリスクオフの売りが激しく交錯する、非常にボラティリティの激しい展開が予想されます。
■米PPIの衝撃と根強いインフレ懸念
もう一つの重石は、予想を大幅に上回った米PPI(卸売物価指数)です。コア指数の上振れは早期利下げ期待を打ち砕きました。さらにイラン情勢の緊迫化が重なり、VIX指数が20近くまで急騰。最高値を更新し続けてきた日経平均にとって、格好の調整局面となる可能性があります。
■サイバーSOL(436A):決算後の「審判」
昨日発表されたサイバーSOLの第3四半期決算は、最終利益7.6億円、進捗率76.1%と文句なしの内容でした。しかし、地合いの急悪化がこの好材料を打ち消さないかが焦点となります。PTSでの反応が鈍かった分、月曜日の寄り付きで冷静な評価が下されるのを待つことになります。
■個別銘柄の展望:試される「確信」
PKSHA(3993)
爆騰を続けてきたPKSHAですが、セクター全体のAI警戒感から、一旦利益確定売りに押される場面があるかもしれません。しかし、赤い火柱の勢いが本物なら、押し目は絶好の機会となります。
太陽誘電(6976)
お祭り騒ぎの蚊帳の外で、ひっそりと含み益を削っています。全体が下落する場面で独自に反発できるか、あるいはさらに沈むのか。規律が試される局面です。
■月曜日の戦略:嵐の中の「規律」
月曜日の日経平均は58,500円近辺でのギャップダウン開始が濃厚です。押し目買いを入れるにはまだ早いでしょう。まずは米国のPPIショックを市場がどう消化し、SBGの巨額投資をどう評価し直すのかを静観する必要があります。
「面白くない相場」になるかもしれませんが、そんな時こそ規律が重要です。嵐が過ぎ去るのを待つのか、あえてその中心へ飛び込むのか。土日の間に、もう一度「確信」の所在を確かめておきます。
BELIEVE IN CONVICTION.
「損切りは規律ではない。確信を貫くことこそが真の規律だ」