資産2,000万への航海図|端くれ投資家の奮闘記

 羅針盤もなく100万で出航した端くれ投資家の航海記「勝てば官軍、されど規律」

🧭 15年超 相場への挑戦
17倍超 100万からの成長
⚓ CURRENT VOYAGE 1,700万超 → 2,000万へ航海中 (86%)

忠告を振り切って買われた高砂熱学工業、案の定下落|PERとPBRで割高株を見抜く方法

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本記事は端くれ投資家個人の投資記録・備忘録です。掲載内容は特定の投資を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。

止めたのに、買われてしまった銘柄がありました

投資の話をしていると、時々こういう場面に出くわします。友人のAさんに「その銘柄、ちょっと待ったほうがいいのでは」と伝えたにもかかわらず、結局は数日前に買われてしまい、そのときすでに割高な水準にあった株価が、今日になって案の定という形で下落という結果に表れる。今回はまさにそういう出来事がありました。

業種としては地味な部類に入る建設・設備工事関連の銘柄で、業績自体は決して悪くありません。むしろ好調とすら言えます。それでも、Aさんが購入した時点ですでに株価の水準を示す物差しは、素直に飛びついていい状態ではありませんでした。今日はこの一件を教材にして、初心者の方にもぜひ知っておいてほしい「PERとPBRの見方」を整理してみたいと思います。

証拠の記録

実際にAさんから送られてきた画像が、以下になります。

あわせて、状況を整理するために私が用意したものがこちらです。

PERとは何か——利益から見た「割高・割安」の物差し

PER(株価収益率)は、その企業が生み出す利益に対して、株価がどれくらいの水準にあるかを示す指標です。「今の利益の勢いが続くとして、投資した金額を何年分の利益で回収できるか」という目安と考えると分かりやすいと思います。

数値が大きいほど将来の成長期待が株価に織り込まれている状態、小さいほど利益に対して株価が控えめに評価されている状態です。市場全体の平均的な水準と比べることで、大まかな割高・割安感がつかめます。

PBRとは何か——資産から見た「割高・割安」の物差し

PBR(株価純資産倍率)は、企業の純資産に対して、株価がどれくらいの水準にあるかを示す指標です。理論上、この数値が1倍であれば、株価と会社の解散価値がちょうど釣り合っている状態とされます。

特に建設業のように、大きな成長よりも安定した資産価値が重視されやすい業種では、PBRが1倍前後、あるいはそれを下回る水準で取引されている銘柄が珍しくありません。そうした業種のなかで、PBRが大きく1倍を超えている銘柄を見つけたときは、「なぜそこまで評価されているのか」を一度立ち止まって考える価値があります。

今回のケースに、二つの物差しを当ててみる

すでに割高な水準で買われてしまった高砂熱学工業の数値を、実際に並べてみます。

予想PER:15倍台後半

(市場全体の平均的な水準と比べて、突出して高いわけではない)

実績PBR:3倍台

(建設・設備工事という業種の平均的な水準からすると、かなり高い部類に入る)

並べてみると、面白いことが分かります。PERだけを見れば、特に警戒するほどの水準ではありません。ところがPBRで見ると、地味な業種の常識からは外れた高い評価がすでについていました。片方の物差しだけでは、割高かどうかを正しく判断できなかったということです。

好業績が、かえって危うさを覆い隠していた

データセンター関連の受注が積み上がるなど、業績自体には前向きな材料がそろっていました。だからこそPERは落ち着いた水準に収まっていたのでしょう。しかし、その期待の大きさが、資産価値に対する株価という形で、PBRのほうにすでに強く表れていたのだと思います。地味な業種であるほど、こうした「業績は良いのに、実は割高」というねじれが起こりやすいので注意が必要です。

建設業界は、そもそもPBRが低めに評価されやすい業界

建設・設備工事の業界は、株式市場全体のなかでも、資産に対する評価が控えめに付けられやすい傾向があります。同じ業種内で比較したときに、平均から大きく飛び出た数値が出ている銘柄には、それなりの理由があるはずだと疑ってかかるくらいがちょうど良いと思います。

止めたのに聞いてもらえなかった、ひとりごと

正直なところ、Aさんが購入する前にきちんと伝えたつもりでした。1株4,918円という値付けは、業種の割にはちょっと評価が高すぎるのではないか、と。それでも、Aさんは好調な業績や将来性を示す材料を見て、「今回は例外かもしれない」という気持ちのほうが勝ってしまったのだと思います。

結果は、数日をかけてじわじわと値を崩されるという形で返ってきました。忠告というのは、往々にしてこういうものです。聞いてもらえないときは聞いてもらえませんし、それを無理に押し付けるつもりもありません。ただ、こういう形で数字がきちんと答え合わせをしてくれるのを見ると、複雑な気持ちになるのも事実です。

同じ授業料を払うにしても、できれば安いうちに気づいてほしい。そう願いながら、今回はこうして記録に残しておくことにしました。

まとめ——ものさしは一つより、二つのほうが見えてくる

PERとPBR、それぞれ単体で見ていると気づけない割高感も、二つを組み合わせることで見えてくることがあります。特に、業績の良さが話題になっている銘柄ほど、資産価値という地味なものさしを忘れがちです。今回の一件が、同じように「業績は良さそうだから」という理由だけで買おうとしている方にとって、立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。

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