投資家の端くれです。今回は、思い出すだけで胃がキリキリする2023年12月の「▲81万円の損出し」の記録を、Q&A形式で振り返ります。
【当時の生々しい記録はこちら】
2023年12月25日、クリスマスの夜に▲81万円の損失を確定させた際のリアルタイムな記録です。嘘偽りない「端くれ投資家」の苦悩と決断をご覧ください。
👉 2023.12.25 損出し断行の記録(証拠記事)を読む【現在の運用実績・資産推移】
2019年からの全期間の実現損益、および現在の保有銘柄の最新状況を以下のページで全公開しています。端くれ投資家の「生存記録」をぜひご覧ください。
👉 リアルタイム実績公開ページへ「損切り」と聞くと、多くの人が「失敗」「負け」というネガティブなイメージを持つでしょう。私自身もそうでした。しかし、この「損出し」は、単なる感情的な損切りではなく、「年末に利益を確定した時の税金を合法的に減らすための、最も重要な節税対策」であることをご存知でしょうか?
本記事では、私が実際に▲81万円の損失を確定させてまで、なぜ「損出し」を断行したのか? その具体的なメカニズムと、投資家なら誰でも使える「損益通算」の節税効果を、当時のリアルな心境を交えて徹底解説します。
これから年末にかけて、含み益がある方も含み損がある方も、ぜひ最後まで読んでいただき、来年の確定申告に備えてください。
【基礎のキソ】そもそも「損出し(損益通算)」とは何か?
損出し(そんだし)とは、正式には損益通算(そんえきつうさん)と呼ばれる税金対策です。
【損出しの定義】
その年に発生した売却益(確定利益)と、含み損がある株を売却して発生させた売却損(確定損失)を相殺することです。
【目的】
投資で得た利益には約20%の税金がかかります。この課税対象となる利益を減らすことで、すでに源泉徴収されている税金の一部を還付してもらうことが最大の目的です。
「端くれ流」損出しの判断基準:ABEJAの事例から学ぶ 2点
損出しを実行するかどうかは、以下のシンプルな2つの基準で判断できます。
1. 大前提:今年、確定利益が出ているか?
損益通算の相手となる課税対象の確定利益(売却益、配当金など)が今年すでに出ていることが、損出しをする大前提です。利益が出ていなければ、相殺する税金がないためです。
2. その銘柄を翌年以降も保有したいか?(価格変動リスクをどう避けるか)
これが最も難しい判断です。
私の場合、ABEJA(5574)のように将来性に期待し、含み損を確定させても保有を継続したい銘柄の場合、「税制メリットを優先して一旦売却する勇気」が必要です。
そして、実質的なコストゼロで節税を行うには、価格変動リスクを伴う「年明け買い戻し」は避け、以下のハイレベルな手法を用います。
- 翌日買い戻し:年内の損失確定日に売却し、翌営業日に買い戻すことで価格変動リスクを最小限に抑える。
- クロス取引(両建て):売却と同時に信用取引で買いを入れることで、価格変動リスクをゼロにする。これが最も洗練された手法です。(※この手法の詳細は後述します)
損出しは、損切り(諦めること)ではなく、一時的な税金対策のための確定だと割り切ることが「端くれ流」の考え方です。
【重要】見落としがちな 3つの注意点と端くれ流対応
損出しにはいくつかの落とし穴があります。特に一昨年、私が実行したクロス取引にも関連する重要なポイントです。
1. 翌年以降の「損失の繰越控除」を忘れない
もし今年、利益がほとんど出ておらず、損出しをしても相殺しきれなかった場合はどうでしょうか?
年間通じて負けていても、損を確定させて確定申告を行うことで、その損失を翌年以降 3年間にわたって繰り越すことができます。
これは、将来大きな利益が出た際に、今年の損失を相殺して課税を減らせるということ。利益がない方も、将来の節税のために損出しは有効です。
2. 買い戻し時の「受渡日」に要注意(Wash Sale / ウォッシュセール の回避)
年内にすぐに買い戻す場合(特に同一受渡日で売買する場合)、最も気を付けたいのが「受渡日」のルールです。
【重要な補足】日本の個人投資家の損出しでは、売却で損失を確定させても、「同一受渡日」で買い戻しを行うと、税務上「洗替売買」(ウォッシュセール)と見なされ、損失が否認されるリスクが残ります。
したがって、翌日買い戻しの場合でも、税務リスクを最小限に抑えるために、売却した年と、買い戻す年が跨るように、年を越して再購入を実行することが強く推奨されます。
なお、クロス取引(両建て)は、このリスク(同一受渡日による損失否認リスク)を回避し、価格変動リスクゼロで損出しを行うための、最も有効な手法です。
3. 【ハイレベル手法】クロス取引後の「現引」は必須作業
私のように、損出しと同時に「クロス取引(信用の売りと買いを同数行う)」で価格変動リスクをゼロにしてポジションを維持したい場合、そのままにしてはいけません。
「信用のままでは金利がかかるので、これから、信用買いのポジションを『現引』したいと思います。」
これは、信用取引の金利や貸株料といったコストを避けるためです。クロス取引で「買い」を入れたポジションを、年末までに現物株に引き換える(現引)作業を忘れないようにしましょう。この現引を忘れると、金利で節税メリットが薄れてしまいます。
実際の行動手順:今週末 30分でできること
今週末、以下の手順で損出しの最終判断をしてください。
- 年間損益の確認: 証券会社の年間取引報告書や損益計算レポートを確認し、今年すでにどれだけの確定利益が出ているかを把握する。
- 含み損銘柄のリストアップ: 特定口座内の含み損銘柄をすべてリストアップする。
- 最終判断: 確定利益の額と、リストアップした含み損銘柄を「来年も保有したいか?」という基準で比較し、売却する銘柄を決定する。
最終的な売却は、今年の受渡日に間に合うよう、証券会社の日程を確認し、来週の最終取引日までに実行しましょう。
まとめ:損出しは「投資家の端くれ」のポートフォリオ調整
損出しは、単なる節税テクニックではありません。年末に自分のポートフォリオを冷静に見つめ直し、「この含み損は本当に持ち続ける価値があるのか?」と自問する、貴重な調整のチャンスでもあります。
大損を確定させた私だからこそ言えます。損失を恐れず、税制を最大限活用する行動力こそが、長期的に生き残る「端くれ投資家」に必須のスキルです。
【追記】涙の損切りは報われたか? 年明けに起きた奇跡の展開
さて、昨年末に▲81万円の損出し(確定)を実行し、将来性を信じて年越しで現物株を保有し続けたABEJA(5574)。その後の展開がどうなったのか、気になる読者の方も多いでしょう。
結果として、この「損出しと再保有」という端くれ流の判断は報われました。年明け早々、ABEJA株は突如としてストップ高(S高)を記録し、わずか数日で昨年末の確定損失を一気に帳消しにする勢いで急騰しました。
この劇的な展開の詳細は、続編記事でお伝えしています。ぜひ、端くれの「勝てば官軍」の軌跡をご覧ください。
💡 【端くれ流】投資の考え方と具体的なQ&A
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