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【米国株】損益分岐株価の出し方|円安・円高で変わる計算式と早見表

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米国株を円で評価していると、「株価は買値より上なのに、円では損をしている」「株価は下がったのに、円ではプラス」という不思議な場面に出会います。原因は為替です。先に結論を書くと、円貨ベースの損益分岐株価は、次の式で求められます。

損益分岐株価(ドル)= 取得単価(円)÷ 現在のドル円レート

この記事では、米国株の損益分岐株価の出し方を、計算例、為替別の早見表、為替1円あたりの損益変動、スプレッドシートでの計算方法まで、順番に解説します。投資歴15年超の端くれ投資家ですが、円安で増えた含み益を自分の実力と勘違いした回数は、数えきれません。同じ勘違いをしないためにも、このものさしは役に立ちます。電卓があれば1分で計算できます。

この記事の内容は、次の1枚にまとめています。細かい説明は、下の本文で順番に解説します。

米国株の損益分岐株価の出し方:計算式、円安・円高での変化、為替1円あたりの損益変動、スプレッドシートでの計算方法のまとめ

米国株の損益分岐株価とは?円貨ベースで損益がゼロになる株価

損益分岐株価とは、円貨ベースの評価損益がちょうどゼロになる株価のことです。日本株は円のまま売買するので、買値より高ければプラスです。一方、米国株は「株価(ドル)」と「為替(ドル円)」の2つが動くため、ドル建てのプラスと、円貨ベースのプラスが、必ずしも一致しません。

損益分岐株価がわかると、「あと何%上がればプラ転か」「あと何%下がるまでは含み益か」が、為替込みで把握できます。

米国株の損益分岐株価の出し方|計算式は「取得単価(円)÷為替レート」

円貨ベースの評価損益は、「(現在値のドル × 為替レート − 取得単価の円)× 株数」で決まります。これがゼロになる現在値を求めると、冒頭の式になります。手順は3つです。

  1. 証券会社の保有画面で、銘柄の「取得単価(円)」を確認します。
  2. 現在のドル円レートを確認します。評価に使われている参考レートで構いません。
  3. 取得単価(円)を、ドル円レートで割ります。

証券会社によっては、円建ての取得単価が表示されないことがあります。その場合は「ドル建ての取得単価 × 取得時の為替レート」で、円建ての取得単価を出します。買い増しをしているときは、それぞれの平均で計算します。

計算例で確認:円安なら損益分岐株価は下がり、円高なら上がる

例として、1ドル150円のときに100ドルの株を買ったとします。円建ての取得単価は1万5,000円です。この株の損益分岐株価は、為替によって次のように変わります。

  • 1ドル150円:損益分岐は100ドルです。買値と同じ株価がラインになります。
  • 1ドル158円(円安):1万5,000円÷158円=約94.94ドルです。ドル建てで約5.1%下がってもトントンになります。株価が100ドルのままなら、評価額は1万5,800円で、+800円(+5.33%)です。
  • 1ドル140円(円高):1万5,000円÷140円=約107.14ドルです。ドル建てで約7.1%上がらないと、円ではプラスになりません。株価が100ドルのままなら、評価額は1万4,000円で、▲1,000円(▲6.67%)です。

円安になれば損益分岐株価は下がり、円高になれば上がります。ドル建てでは何も動いていなくても、円貨ベースの景色は変わるわけです。

為替別の損益分岐株価の早見表(円安・円高でいくら変わる?)

実際の保有銘柄で、為替ごとの損益分岐株価を並べます。例はテンパスAI(TEM)で、取得単価は1万1,074円です。比較の基準は、10月7日の参考レート158.44円(損益分岐は約69.89ドル)です。

  • 1ドル140円:約79.10ドル(基準比+13.2%)
  • 1ドル150円:約73.83ドル(基準比+5.6%)
  • 1ドル155円:約71.45ドル(基準比+2.2%)
  • 1ドル158.44円:約69.89ドル(基準)
  • 1ドル160円:約69.21ドル(基準比▲1.0%)
  • 1ドル165円:約67.12ドル(基準比▲4.0%)

158円付近であれば、為替が1円動くと損益分岐株価は約0.6%動きます(1円÷158円)。「あと何%上がればプラ転か」を見るときは、株価だけでなく、為替が今どこにあるかも一緒に確認してください。

為替の損益分岐も出せる|株価が動かないとき、ドル円いくらで損益ゼロ?

逆の見方もできます。株価が今のままだとして、ドル円がいくらで損益ゼロになるかは、次の式で求まります。

為替の損益分岐(円)= 取得単価(円)÷ 現在値(ドル)

先ほどの例で、取得単価が1万5,000円、現在値が95ドルなら、1万5,000円÷95ドル=約157.89円です。ドル円が157.89円より円安なら円貨ベースでプラ、円高ならマイナスです。

保有銘柄全体でも、同じ計算ができます。私の場合、10月7日の評価額で、総取得額(約131万1,050円)÷ドル建て評価額(約8,480ドル)=約154.6円でした。株価が動かないとすれば、ドル円が約154.6円まで円高になると、評価損益がゼロになる計算です。

ドル円1円で評価損益はいくら変わる?為替感応度の出し方

為替が1円動いたときの損益の変化は、次の式で出せます。

為替1円あたりの損益変動(円)= ドル建ての評価額(ドル)

ドル建て評価額が1,000ドルなら、1円動くと損益は約1,000円動きます。私の場合、10月7日時点で約8,480ドルでしたので、1円の円高で、評価額が約8,500円減る計算でした。「株価は動いていないのに損益が変わった」と感じたときは、この数字と比べてみると、原因が為替かどうかがすぐにわかります。

保有4銘柄で実践:損益分岐株価の計算結果(為替158.44円換算)

実際の保有銘柄で計算すると、次のようになります。為替は10月7日の参考レート158.44円で固定しています。

  • アイオンキュー(IONQ):取得単価7,131円→約45.01ドル
  • テンパスAI(TEM):取得単価1万1,074円→約69.89ドル
  • バーティブ・ホールディングス(VRT):取得単価4万1,750円→約263.51ドル
  • ビストラ(VST):取得単価2万2,907円→約144.58ドル

この4つの数字は、為替が動けば毎日変わります。私の記録記事では、その日のレートで計算し直して載せています。

損益分岐株価を使うときの注意点(手数料・税金・参考レート)

  • 手数料・為替手数料・税金は含まれません。実際に売って手元に残る金額とは、ズレが出ます。
  • 評価に使われるのは、証券会社が決める参考レートです。売却時の実際のレートや為替手数料とは、差が出ます。
  • 買い増しをすると、平均の取得単価が変わるため、損益分岐も変わります。
  • 損益分岐株価は「今日のライン」です。為替で毎日動くので、一度計算して終わりにしないでください。
  • 売買の合図ではありません。現状を把握するためのものさしとして使うのが、安全です。私は「事業側の材料が崩れない限り持ち続ける」という基準で保有しており、損益分岐を売買の判断には使っていません。

なお、この記事は私個人の計算方法の紹介で、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。投資の判断は、ご自身の責任でお願いします。

スプレッドシートで毎日出す方法(Googleスプレッドシート・Excel)

銘柄が複数あるなら、スプレッドシートに任せるのが楽です。A列に銘柄名、B列に取得単価(円)、C1にドル円レートを入れ、D2に =B2/$C$1 と入力して、下にコピーします。為替レートを書き換えるだけで、すべての銘柄の損益分岐株価が更新されます。現在値(ドル)の列を足せば、「あと何%でプラ転か」も一緒に出せます。GoogleスプレッドシートでもExcelでも、同じ式で動きます。

米国株の損益分岐株価に関するよくある質問

Q. 損益分岐株価は、売るタイミングの目安になりますか?

売買の合図としては使いません。損益分岐株価は「今の損益がゼロになる位置」を知るための現状把握のものさしで、これから上がるか下がるかは教えてくれません。

Q. 取得単価が円で表示されない場合は、どう計算しますか?

「ドル建ての取得単価 × 取得時の為替レート」で、円建ての取得単価を出します。買い増しをしている場合は、買った時点ごとの金額を合計して、株数で割った平均を使います。

Q. 円高になると、損益分岐株価が上がるのはなぜですか?

円高では、同じ1ドルが円に換算したときに少なくなるためです。円で払った取得額を取り戻すには、ドル建ての株価がより高くないといけません。逆に円安なら、低い株価でも取得額に届きます。

Q. 配当は損益分岐株価に含まれますか?

含まれません。この記事の計算式は、株価と為替だけで決まる評価損益を対象にしています。配当、手数料、税金は、別に考える必要があります。

まとめ

米国株の損益分岐株価は「取得単価(円)÷ ドル円レート」で出せます。円安になれば下がり、円高になれば上がり、158円付近では為替1円で約0.6%動きます。逆に、株価を固定したときの為替の損益分岐は「取得単価(円)÷ 現在値(ドル)」、為替1円あたりの損益変動は「ドル建て評価額」で求められます。手数料や税金は含まれない点に注意しながら、株価と為替のどちらが損益を動かしているのかを切り分けて見る習慣をつければ、含み損益の見え方はかなりはっきりします。

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