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【日本株】呼値の単位の一覧表|2027年3月の変更(STR)と指値の影響

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指値注文を出すとき、「この値段では入力できない」と感じたことはありませんか。株価の刻みが思ったより粗いと、希望の値段で注文できないことがあります。この刻みが「呼値の単位」です。そして、東京証券取引所は、2027年3月1日から、この呼値の単位の決め方を大きく変えます。先に結論を書くと、次の3点を押さえておくと、混乱しません。

  • 呼値の単位は、株価と銘柄の区分で決まり、現在は「TOPIX500構成銘柄」「ETF等」「その他の銘柄」の3つに分かれている
  • 2027年3月1日から、区分は指数ではなく、銘柄ごとの流動性(STR)で決まり、呼値テーブルはA・B・C・Oの4種類になる
  • 刻みが細かくなる銘柄も、粗くなる銘柄も、変わらない銘柄もある。どの銘柄がどうなるかは、2027年1月を目途に公表される

この記事では、現在の呼値の単位の一覧表、指値で選べる値段の例、刻みの粗さを測る「ティック・ウェイト」、新制度の仕組みとA・B・C・Oの一覧表、現行制度との比較、東証の試算、定期見直しのルール、同時期に決まった「ランダムクローズ」まで、順番に解説します。私は日本株を取引していて、資産全体では日本株の比率が高くなっています。前回のストップ高・ストップ安の記事とあわせて読むと、日本株の「値段のルール」が整理できます。なお、この記事は、2026年10月17日時点の公表情報をもとにしています。

株の呼値の単位が2027年3月1日から変更:銘柄ごとの流動性(STR)で決まる新制度(テーブルA・B・C・O)の図解まとめ

呼値の単位とは?指値注文の「値段の刻み」

売買の注文をするときの値段の刻みを、「呼値の単位」と言います。呼値の単位は、銘柄と、その値段の水準に応じて決まります。例えば、呼値の単位が1円の銘柄なら、指値は2,500円、2,501円、2,502円…と指定できます。呼値の単位が5円なら、2,500円、2,505円、2,510円…です。刻みに合わない値段(5円刻みの銘柄の2,503円など)は、基本的に、指値では指定できません。

呼値の単位は、1日の値動きの上限・下限を決める「制限値幅」とは別の制度です。制限値幅(ストップ高・ストップ安)の仕組みは、ストップ高・ストップ安の記事で解説しています。

呼値の単位の一覧表(現行制度・2027年2月まで)

現在の呼値の単位は、次の表の通りです。東証の公式ページ(2026年8月6日更新)の表を、「超・以下」の形に直しています。

株価 TOPIX500構成銘柄 売買単位が1口のETF等 その他の銘柄
1,000円以下 0.1円 1円 1円
1,000円超~3,000円以下 0.5円 1円 1円
3,000円超~5,000円以下 1円 1円 5円
5,000円超~1万円以下 1円 1円 10円
1万円超~3万円以下 5円 5円 10円
3万円超~5万円以下 10円 10円 50円
5万円超~10万円以下 10円 10円 100円
10万円超~30万円以下 50円 50円 100円
30万円超~50万円以下 100円 100円 500円
50万円超~100万円以下 100円 100円 1,000円
  • 「TOPIX500構成銘柄」は、TOPIX100とTOPIX Mid400の構成銘柄です。
  • 売買単位が10口以上のETF等にも、TOPIX500構成銘柄の列が適用されます。
  • 100万円を超える区分は、日本取引所グループの公式ページで確認してください。

呼値の単位の計算例|指値で選べる値段と、3,000円の境目

表の見方を、例で確認します。

  • その他の銘柄:3,000円以下は1円刻みなので、2,999円、3,000円と指定できます。3,000円を超えると5円刻みになり、次は3,005円、3,010円です。つまり、3,001円~3,004円は、指値で指定できません。
  • TOPIX500構成銘柄:1,000円以下は0.1円刻みなので、999.9円、1,000.0円と指定できます。1,000円を超えると0.5円刻みになり、次は1,000.5円、1,001.0円です。

刻みが切り替わる境目の前後では、注文できる値段の細かさが、一気に変わります。

ティック・ウェイトとは?「呼値÷株価」で刻みの粗さを測る

刻みが「粗い」か「細かい」かは、呼値の単位の金額だけでは決まりません。株価に対して、1刻みがどれくらいの割合かを見ると、比べやすくなります。東証も、この数字を「ティック・ウェイト」と呼んで、海外との比較に使っています。

ティック・ウェイト(%)= 呼値の単位 ÷ 株価 × 100

株価 その他の銘柄(呼値/割合) TOPIX500構成銘柄(呼値/割合)
500円 1円/0.200% 0.1円/0.020%
2,000円 1円/0.050% 0.5円/0.025%
3,000円 1円/0.033% 0.5円/0.017%
3,001円 5円/0.167% 1円/0.033%
8,000円 10円/0.125% 1円/0.013%
4万円 50円/0.125% 10円/0.025%

「その他の銘柄」では、株価が3,000円から3,001円に上がるだけで、1刻みの割合が0.033%から0.167%へと、約5倍に跳ね上がります。刻みが粗いほど、買値と売値の差(スプレッド)が、最低でも1刻み分は開くため、売買の実質的なコストに影響します。

2027年3月1日から何が変わる?呼値の単位が「流動性(STR)」で決まる制度に

東証は、2027年3月1日から、現在の指数区分(TOPIX500構成銘柄かどうか)に基づく呼値の単位をやめて、銘柄ごとの流動性に基づいて、適用する呼値テーブルを決める制度を始めます。流動性の指標には、STR(Spread to Tick Ratio)を使います。

  • 株式:原則として、一定期間のSTRの測定結果に基づいて、テーブルA・B・Cのどれかが決まります。
  • ETF・ETN・レバレッジ商品(売買単位が1口の銘柄を除く):テーブルAが適用されます。
  • 売買単位が1株(1口)の銘柄(一部のETF、ETN、REIT、インフラファンド、優先出資証券など):円未満の約定が発生しないように、専用のテーブルOが適用されます。
  • 新規上場銘柄:原則としてテーブルCです。ただし、上場時の時価総額(見込み)が5,000億円を超える場合は、テーブルBです。
  • 施行時のテーブル:2026年3月から11月末までの日次STRの中央値などを勘案して決められ、2027年1月を目途に、東証のウェブサイトなどで公表されます。

STR(スプレッド・トゥ・ティック・レシオ)とは?計算例と適切な範囲

STRは、買値と売値の差(スプレッド)が、呼値の単位の何本分にあたるかを示す指標です。

STR = (最良売気配値段 − 最良買気配値段)÷ 呼値の単位

東証が示している例では、最良売気配が3,002円、最良買気配が2,999円、呼値の単位が1円の場合、差の3円は1円の3本分なので、STRは3.0です。実際のSTRは、立会時間中の最良気配の差を、時間で重み付けして平均して算出します(売買停止中や、特別気配の表示中、クロージング・オークションの期間などは除きます)。

東証は、STRの適切な範囲を、1.5から5.0と位置づけています。

  • STRが1.5未満:流動性に対して、呼値の単位が粗い状態です。より小さい呼値の単位が適切です。
  • STRが1.5以上5.0以下:適切な範囲です。現在の呼値の単位が適切です。
  • STRが5.0超:流動性に対して、呼値の単位が細かい状態です。注文が分散して、円滑な取引ができなかったり、値動きが激しくなったりする恐れがあります。より大きい呼値の単位が適切です。

新しい呼値テーブルA・B・C・Oの一覧表(2027年3月1日~)

テーブルのAは「Active(超高流動性)」、Bは「Basic(高流動性)」、Cは「Calm(中流動性)」、Oは「One Unit(売買単位1口)」の頭文字です。AやCは、投資の評価や格付けではなく、流動性に合わせた刻みの区分です。東証が2026年5月に公表した、見直し後の呼値テーブルは、次の通りです(100万円以下の区分を掲載しています)。

株価 A(超高流動性) B(高流動性) C(中流動性) O(売買単位1口)
100円以下 0.1円 0.1円 0.1円 1円
100円超~500円以下 0.1円 0.1円 0.5円 1円
500円超~1,000円以下 0.1円 0.1円 1円 1円
1,000円超~2,000円以下 0.2円 0.5円 2円 1円
2,000円超~5,000円以下 0.5円 1円 5円 1円
5,000円超~1万円以下 1円 2円 10円 1円
1万円超~2万円以下 2円 5円 20円 2円
2万円超~5万円以下 5円 10円 50円 5円
5万円超~10万円以下 10円 20円 100円 10円
10万円超~20万円以下 20円 50円 200円 20円
20万円超~50万円以下 50円 100円 500円 50円
50万円超~100万円以下 100円 200円 1,000円 100円

100万円を超える区分は、日本取引所グループの公式ページで確認してください。また、最終的な表は、公式ページに掲載されている表と、見比べてください。

現行制度と新制度を比べる|同じ株価で、何円刻みになる?

同じ株価で、現行制度と新制度の呼値の単位を比べてみます。

株価 現行:その他 現行:TOPIX500 新:A 新:B 新:C
400円 1円 0.1円 0.1円 0.1円 0.5円
2,500円 1円 0.5円 0.5円 1円 5円
4,000円 5円 1円 0.5円 1円 5円
1万5,000円 10円 5円 2円 5円 20円
3万円 10円 5円 5円 10円 50円
  • 細かくなる例:株価400円の「その他」の銘柄は、現在は1円刻みですが、テーブルCになれば0.5円刻み、A・Bなら0.1円刻みです。
  • 粗くなる例:株価2,500円の「その他」の銘柄は、現在は1円刻みですが、テーブルCになれば5円刻みで、5倍になります。
  • 同じ株価でも、最大10倍違う:株価2,500円なら、テーブルAは0.5円、テーブルCは5円です。売買単位が100株の場合、隣り合う指値の約定代金の差は、Aで50円、Bで100円、Cで500円です。

つまり、「2027年から、すべての株の刻みが細かくなる」という制度ではありません。細かくなる銘柄、粗くなる銘柄、変わらない銘柄があります。また、現在TOPIX500構成銘柄だからといって、新制度でも必ず最も細かいテーブルになるわけではありません。

細かい刻みの話ほど、知らないままで済ませてしまう。

なぜ制度を変える?東証の試算では、粗くなる銘柄が約4割

東証は、新制度の目的を、注文執行時の過度なボラティリティやシグナリング(取引意図の露呈)の抑制、投資家の執行コストの更なる削減などと説明しています。背景として、東証の分析では、次のような点が挙げられています。

  • TOPIX100構成銘柄の半数以上(52.0%)は、STRが1.5未満で、現在の細かい呼値の単位でも、粗すぎる状態です。
  • TOPIX Mid400構成銘柄は、約8割(80.7%)がSTRの適切な範囲(1.5~5.0)に収まっています。
  • TOPIX500構成銘柄の定期入れ替え(2023年~2025年)で呼値テーブルが変わった61銘柄のうち、約3割は、変更後のSTRが適切な範囲から外れていました。

また、東証は、2025年8月の実績を新制度に当てはめた参考試算を公表しています。それによると、テーブルAは174銘柄(約5%)、Bは1,223銘柄(約32%)、Cは2,388銘柄(約63%)です。現在の呼値と比べると、細かくなるのが1,216銘柄(約32%)、粗くなるのが1,487銘柄(約39%)、変わらないのが1,082銘柄(約29%)です。これは、制度の検討時の参考試算で、2027年3月1日に実際に適用される結果ではありません。

海外の呼値は?欧州は流動性別、米国は2026年11月から変更

東証の資料によると、海外でも、流動性に応じた呼値の仕組みが使われています。

  • 欧州:流動性の指標(1日あたりの平均約定回数)に応じて、複数の呼値テーブルが設けられています。
  • 米国:株価1ドル未満のいわゆるペニー株を除いて、株価に関わらず0.01ドル刻みでした。2026年11月からは、株価1ドル以上の銘柄に、時間加重平均の気配スプレッドに応じた呼値(0.01ドルまたは0.005ドル)が適用される、と記載されています。

米国株の詳細は、米国の規制当局や、利用している証券会社の案内で確認してください。

呼値テーブルの定期見直し(毎年8月)と新規上場銘柄のルール

新制度では、適用される呼値テーブルが、毎年見直されます。

  • 評価期間:前年8月から当年4月末までの9か月間です。
  • 判定:評価期間の日次STRの中央値で判定します。
  • 適用日:毎年8月の第1営業日です。
  • 結果の公表:6月初めを目途に、東証のウェブサイトなどで公表されます。
評価期間のSTR 呼値テーブルの動き
1.5未満 一段階小さいテーブルへ(B→A、C→B)。Aはそのまま
1.5以上5.0以下 変更なし
5.0超 一段階大きいテーブルへ(A→B、B→C)。Cはそのまま

なお、テーブルOは専用のテーブルなので、STRによる見直しはありません。評価期間中に新規上場した銘柄は、上場日から評価期間末日までの実績で判定されますが、4月以降に上場した銘柄は、その年の8月の見直しの対象外です。

同じタイミングで決まった変更|2027年10月12日からランダムクローズ

東証は、呼値の単位の見直しと一緒に、大引けの仕組みも変えます。2027年10月12日から、クロージング・オークションを実施する銘柄について、大引けの板寄せが、毎営業日、午後3時29分30秒から午後3時30分までの間の、ランダムな時刻に行われます。板寄せの時刻は、対象の全銘柄で同時で、板寄せの時刻まで、新規注文の発注や、値段・数量の変更、取消しができます。システムの稼働に支障が生じた場合など、やむを得ない事由があれば、施行日が後ろにずれることがあります。

呼値の単位の変更で、確認したいチェックリスト6問

  1. 保有株や、注目している銘柄は、現在、TOPIX500構成銘柄ですか。それとも、その他の銘柄ですか。
  2. 2027年1月ごろに公表される、各銘柄のテーブル(A・B・C・O)を確認しましたか。
  3. 現在の株価で、新しい刻みは何円になりますか。ティック・ウェイト(呼値÷株価)は、現在と比べてどう変わりますか。
  4. 期限の長い指値注文が、施行日をまたぐ場合の扱いを、証券会社の案内で確認しましたか。(2014年にTOPIX100構成銘柄の入れ替えで呼値が変わったときは、証券会社が、小数点の指値を持つ今週中注文は、夕方のメンテナンスで失効する、と案内した例があります。)
  5. 毎年6月初めに公表される定期見直しの結果を、確認する予定ですか。
  6. 注文ツールや、自分で作った計算表の刻みの設定が、古いルールのままになっていませんか。

呼値の単位に関するよくある質問

Q. 「呼値」と「呼値の単位」は、同じ意味ですか?

厳密には違います。呼値は、売買注文の内容(売買の別、値段など)を表示することで、呼値の単位は、その値段の刻みです。一般には、どちらも「呼値」と呼ばれることがあります。

Q. 刻みに合わない値段で、指値注文はできますか?

基本的に、できません。呼値の単位の刻みに合った値段で、指定します。成行注文は、値段を指定しないので、刻みの入力制約はありませんが、板の状況が変われば、約定の値段には間接的に影響することがあります。

Q. 2027年3月から、すべての株の刻みが細かくなりますか?

いいえ。細かくなる銘柄、粗くなる銘柄、変わらない銘柄があります。東証の参考試算(2025年8月実績)では、細かくなるのが約32%、粗くなるのが約39%、変わらないのが約29%でした。

Q. 自分の株が、A・B・C・Oのどれかは、いつ・どこで分かりますか?

2027年3月1日に適用されるテーブルは、2027年1月を目途に、東証のウェブサイトなどで公表されます。取引の画面で、確認できる場合もあります。

Q. 売買単位(100株)も、変わりますか?

今回の見直しは、値段の刻み(呼値の単位)の見直しで、売買単位(株数)の見直しではありません。

Q. 制限値幅(ストップ高・ストップ安)も、変わりますか?

今回確認した東証の公表資料には、制限値幅の変更は含まれていません。制限値幅の仕組みは、ストップ高・ストップ安の記事で解説しています。

まとめ

呼値の単位は、指値注文の値段の刻みで、現在は、株価と、「TOPIX500構成銘柄」「ETF等」「その他の銘柄」の区分で決まっています。株価が3,000円を超えると、「その他の銘柄」の刻みが1円から5円になり、1刻みの割合が約5倍になります。2027年3月1日からは、区分は指数ではなく、銘柄ごとの流動性(STR)で決まり、テーブルA・B・C・Oが使われます。同じ株価でも、AとCでは、刻みが最大10倍違い、現在より細かくなる銘柄も、粗くなる銘柄もあります。各銘柄のテーブルは、2027年1月を目途に公表され、その後は、毎年8月に見直されます。また、2027年10月12日からは、大引けの板寄せが、ランダムな時刻になります。公表を確認して、自分の保有株や注目銘柄の刻みを、チェックしてください。

参考

※当ブログは筆者個人の投資記録であり、投資助言ではありません。特定の銘柄の売買を勧めるものではなく、記載の情報の正確性や将来の成果を保証するものでもありません。投資の判断は、ご自身の責任でお願いします。個別の投資相談には、お答えできません。

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