PHCホールディングス(6523)の深まる傷跡と過酷な暴落劇
ここからの展開、そして結末は一体どうなってしまうのでしょうか。こればかりは「神のみぞ知る領域」に突入しているのかもしれません。現在、私が保有しているPHCホールディングス(6523)ですが、わずか200株の保有であるにもかかわらず、含み損は▲127,000円にまで拡大し、損益率は▲23.39%という短期間での異常な転落を見せています。私の平均取得価格は2,714円ですが、現在値は2,079円。15年超の投資経験の中でも、これほど短期間で激しく叩き売られるケースはそう多くありません。
振り返れば、11月17日に100株、11月19日に100株を取得したばかりで、まだ買ってから1か月も経っていないのです。それなのに、これほど大規模な暴落劇に遭遇するとは夢にも思いませんでした。ご存じの通り、同社の前身は名門・松下寿電子工業であり、2021年10月14日に東証一部に新規上場(IPO)したばかりの銘柄です。
主幹事の思惑とIPOセカンダリーの重い教訓
このIPOの主幹事を務めたのはSMBC日興証券でした。通常、人気が集まるIPOは申し込んでもなかなか当選しないのが常識ですが、この銘柄に限っては、ブックビルディングの申し込みを促す証券会社の担当者からの電話勧誘がかなり熱心に行われていた、という話を耳にいたします。そして蓋を開けてみれば、結果は無残な公募割れでした。
公募価格3,250円に対し、初値は3,120円。それがその日の高値となり、安値2,650円、終値2,650円と初日から徹底的に売られ、その後も今なお底なしの暴落が続いています。これでは市場の一部から「IPO勧誘詐欺ではないか」と恨み節が出るのも無理はありません。
証券会社の営業員の方々は、こうして下落するリスクを十分に予見していながら、お得意の思わせぶりな饒舌トークで、これまでIPOに当選したことのないような個人投資家に熱心に勧められたのでしょうか。そして公募割れした後は「地合いが悪かったですね」「今回は残念でした」の一言で片付けているのだとしたら、少しばかり理不尽さを感じてしまいます。見方を変えれば、見知らぬ少額・小口の顧客にうまく配分できた(売り抜けた)営業員ほど、多くの報酬を得て出世街道を歩むのかもしれません。組織の論理とはいえ、なんとも切ない現実です。
さて、私もこのPHCホールディングスで現在進行形の地獄を見させていただいておりますが、私の場合は勧誘による公募投資ではなく、あくまで自身の判断で参戦したIPOセカンダリーです。したがって結果はすべて自己責任ではありますが、「公募割れしたIPO銘柄には一切近寄るな!」という、非常に重い教訓を刻み込む事例となりました。
チャートの予兆と無配への苦言
今の段階でできるベストな選択肢は「損切り」なのかもしれません。ですが、どこかで底を打つのを待ちたいという気持ちもあり、現在はリスクヘッジの繋ぎ売りをするべきか激しく苦悩しております。傷の舐め合いと言われてしまうかもしれませんが、IPOの公募で買わされて苦しまれている投資家の皆様とともに、何とかこの難局を耐え忍びたいと考えています。
チャートを眺めてみても、「底を打った」と断言するにはいささか願望が強すぎますし、時期尚早かもしれません。ただ、よく見ると長い下髭が出現しているようにも受け取れます。先週末の金曜日がセリングクライマックス(セリクラ)だったと言える日が、年内に訪れることを切に祈るばかりです。
そもそも、このような容赦ない下落を招いている背景には、同社が好調な業績を維持しているにもかかわらず、配当金を出さない方針であることも一因ではないでしょうか。これだけの業績があるのですから、株主還元として最低でも1%以上の配当金を出していただければ、株価の流れは一気に変わるはずです。企業側には、ぜひとも積極的なIR活動をお願いしたいところです。
週末の市場動向とトルコリラの教訓
ここで少し視野を広げて市場全体に目を向けますと、先週末の日経平均株価は久々に276円高と反発し、再び大台の28,000円を超えて28,029円で取引を終えました。前場はマイナス圏に沈む場面もあり、方向感に欠ける展開でしたが、米製薬大手メルク(MRK)の日本法人が、新型コロナウイルス治療薬候補「モルヌピラビル」の製造販売承認を厚生労働省に申請したとの報道が材料視され、後場から一気に買い戻されました。
ただ、前日に620ドル近くも急騰して今年最大の上げ幅を記録したニューヨークダウの勢いに比べると、日本市場の戻りはやや見劣りする内容です。依然として変異株「オミクロン株」への警戒感は根強く、週明けの相場では再び27,000円台へ押し戻される懸念も拭えません。市場でどれほど「年末高」という言葉がリフレインされても、今年の冬の航海は一筋縄ではいかなそうです。
また、余談ではありますが、為替市場ではトルコリラが大変な事態に陥っていますね。数年前には確かに1リラ40円を超えていた時期もありましたが、気がつけば現在は8円台。一体誰がここまでの暴落を予想できたでしょうか。「もう今が底値だろう」という安易な値ごろ感だけで手を出せば、株式市場と同様に底なしの地獄を見るという、投資の恐ろしさを物語る好例と言えます。2021年の大きな教訓として、「公募割れしたIPOと、泥沼の下落通貨には絶対に手を出すな」と改めて肝に銘じます。
端くれ投資家の独白
カレンダーを見ればもう12月、今年も残すところわずかとなりました。現在の保有銘柄の状況を鑑みると、税金対策のために苦渋の「損出し(損切りして損失を確定させる行為)」も視野に入れなければならない段階にきています。せっかくここまで資産を積み上げてきたというのに、年末にこのような憂鬱な作業を検討せねばならないのは、本当に気が滅入るものです。
ですが、これもまた「資産2,000万への航海図」を書き進める上でのリアルな試練です。幾多のショックを乗り越えてきた経験があるからこそ、この理不尽な暴落の波に飲み込まれるわけにはまいりません。目先の株価に一喜一憂せず、投資規律を厳格に守りながら、次なる反撃のチャンスを静かに待ちます。最後に「勝てば官軍」の言葉通り、笑って生還を果たしてみせます。
